3.2.1 タイトル、ヘッダ、フッタを作成する


タイトル ブロックの説明

タイトル ブロックには 2 つのタイプがあります: book の最初の \score の上に表示されるメインのタイトル ブロックと、各 \score ブロック内に表示される個々のタイトル ブロックです。両タイプのテキスト フィールドは \header ブロックを用いて挿入します。

book が単一の score しか持たない場合、\header ブロックを配置する場所は \score ブロックの内側でも外側でも構いません。

Note: \score ブロックの内側に \header ブロックを追加する場合、\header ブロックの前に音楽表記を配置する必要があります。

\header {
  title = "SUITE I."
  composer = "J. S. Bach."
}

\score {
  \new Staff \relative {
    \clef bass
    \key g \major
    \repeat unfold 2 { g,16( d' b') a b d, b' d, } |
    \repeat unfold 2 { g,16( e' c') b c e, c' e, } |
  }
  \header {
    piece = "Prélude."
  }
}

\score {
  \new Staff \relative {
    \clef bass
    \key g \major
    \partial 16 b16 |
    <g, d' b'~>4 b'16 a( g fis) g( d e fis) g( a b c) |
    d16( b g fis) g( e d c) b(c d e) fis( g a b) |
  }
  \header {
    piece = "Allemande."
  }
}

[image of music]

book のメイン タイトル ブロックのテキスト フィールドはすべての \score ブロックに表示させることができ、手動で表示を抑制することもできます:

\book {
  \paper {
    print-all-headers = ##t
  }
  \header {
    title = "DAS WOHLTEMPERIRTE CLAVIER"
    subtitle = "TEIL I"
    % この book では tagline を表示しません
    tagline = ##f
  }
  \markup { \vspace #1 }
  \score {
    \new PianoStaff <<
      \new Staff { s1 }
      \new Staff { \clef "bass" s1 }
    >>
    \header {
      title = "PRAELUDIUM I"
      opus = "BWV 846"
      % この score では subtitle を表示しません
      subtitle = ##f
    }
  }
  \score {
    \new PianoStaff <<
      \new Staff { s1 }
      \new Staff { \clef "bass" s1 }
    >>
    \header {
      title = "FUGA I"
      subsubtitle = "A 4 VOCI"
      opus = "BWV 846"
      % この score では subtitle を表示しません
      subtitle = ##f
    }
  }
}

[image of music]

参照

記譜法リファレンス: ファイル構造, タイトル ブロックのカスタム レイアウト


book と score のタイトル ブロックのデフォルト レイアウト

タイトル ブロックのレイアウトとフォーマットは 2 つの \paper 変数によって制御されます。メインの \header タイトル ブロックのための bookTitleMarkup と、\score 内部の個々の \header ブロックのための scoreTitleMarkup です。

以下の例は \header のすべての変数の使用例です:

\book {
  \header {
      % 以下のフィールドは中央揃えされます。
    dedication = "Dedication"
    title = "Title"
    subtitle = "Subtitle"
    subsubtitle = "Subsubtitle"
      % 以下のフィールドは 1 行に配置されます
      % フィールド "instrument" は 2 ページ以降にも表示されます
    instrument = \markup \with-color #green "Instrument"
    poet = "Poet"
    composer = "Composer"
      % 以下のフィールドは同一行の両端に配置されます
    meter = "Meter"
    arranger = "Arranger"
      % 以下のフィールドは最下段の中央に配置されます
    tagline = "tagline goes at the bottom of the last page"
    copyright = "copyright goes at the bottom of the first page"
  }
  \score {
    { s1 }
    \header {
        % 以下のフィールドは同一行の両端に配置されます
      piece = "Piece 1"
      opus = "Opus 1"
    }
  }
  \score {
    { s1 }
    \header {
        % 以下のフィールドは同一行の両端に配置されます
      piece = "Piece 2 on the same page"
      opus = "Opus 2"
    }
  }
  \pageBreak
  \score {
    { s1 }
    \header {
        % 以下のフィールドは同一行の両端に配置されます
      piece = "Piece 3 on a new page"
      opus = "Opus 3"
    }
  }
}

[image of music]

以下に注意してください:

デフォルトのレイアウトを変更するには タイトル ブロックのカスタム レイアウト を参照してください。

最上位の \header ブロックのタイトルを最初のページに配置して、\score ブロックで定義される楽譜を次のページから始めるするには、\score ブロックの中にある \header ブロック内でbreakbefore 変数を使用します。

\book {
  \header {
    title = "This is my Title"
    subtitle = "This is my Subtitle"
    copyright = "This is the bottom of the first page"
  }
  \score {
    \repeat unfold 4 { e'' e'' e'' e'' }
    \header {
      piece = "This is the Music"
      breakbefore = ##t
    }
  }
}

[image of music]

参照

学習マニュアル: How LilyPond input files work

記譜法リファレンス: タイトル ブロックのカスタム レイアウト, ファイル構造

インストールされているファイル: ‘ly/titling-init.ly


ヘッダとフッタのデフォルト レウアウト

ヘッダフッタ は、book のテキストとは別の、ページの最初と最後に表示されるテキスト行です。ヘッダとフッタは以下の \paper 変数によって制御されます:

これらのマークアップ変数は、最上位の \header ブロック (これは book のすべての score に適用されます) から、テキスト フィールドのみにアクセスすることができ、‘ly/titling-init.ly’ で定義されています。デフォルトでは以下のようになっています:

[image of music]

最上位の \header ブロックの中に tagline を追加することで、デフォルトのタグラインを変更することができます。

\book {
  \header {
    tagline = "... music notation for Everyone"
  }
  \score {
    \relative {
      c'4 d e f
    }
  }
}

[image of music]

タグラインを削除するには、tagline##f をセットします。


他の言語: English, català, deutsch, español, français, italiano
About automatic language selection.

LilyPond — 記譜法リファレンス v2.21.0 (開発版).